製品・技術 2026.03.27
大型の水電解装置や燃料電池の評価を支援するEIS測定システム『ALDAS-E』を発売
ALDAS-E system for EIS measurement
HIOKI(日置電機株式会社:長野県上田市、代表取締役社長:岡澤尊宏)は、2026年3月27日、水素エネルギーの利活用に向け技術開発が進む、大型の水電解装置および燃料電池システムの評価に向けたEIS測定システム『ALDAS-E(アルダス・イー)』を発売いたします。
開発の背景
気候変動対策が世界的に加速する中、水素はエネルギー転換における重要な役割を果たす存在として注目されています。国際エネルギー機関(IEA)の推計によると、2024年の世界水素需要は約1億トンに達し*1、カーボンニュートラル実現に向けた需要は年々高まっています。水素はモビリティ、エネルギー貯蔵、火力発電での混焼*2など、幅広い分野での活用が期待されています。
カーボンニュートラルに向けた水素の利活用には、製造過程において二酸化炭素を排出せずに作られるグリーン水素*3が欠かせません。グリーン水素の生産量増加には水電解槽の大型化と高効率化が不可欠のため、併せて大型の電解槽を評価する手法も求められます。当社は『ALDAS-E』の開発により、従来の手法では困難であった、大電流、高電圧下で稼働する大型電解槽の電気的な測定を実現し、水素社会の早期実現を支援します。
- *1:Global Hydrogen Review 2025 – Analysis, IEA
- *2:混焼 火力発電において燃料に水素を混ぜて燃焼させる技術。二酸化炭素排出量の削減に貢献する。
- *3:グリーン水素 太陽光や風力をはじめとした再生可能エネルギー由来の電力を使用し、水の電気分解により製造された水素。水素の製造過程において二酸化炭素を排出しない。
製品の概要
本製品は、電気化学インピーダンス分光法によるインピーダンス測定(EIS測定)を行う測定器です。大型セルスタックを用いた電解槽や燃料電池システムを測定対象とし、大電流が流れる実稼働中にEIS測定を行うことで、最適な運転条件の探索、セルスタックの内部状態や劣化要因の推定を支援します。
当社はこれまで、本製品を特注システムとして国内の主要な研究機関等に提供してまいりました。すでに展開している基礎研究向けの「ALDAS-α(アルダス・アルファ)」や応用開発向けの「ALDAS-Mini(アルダス・ミニ)」に、実証・商用段階に対応する『ALDAS-E』が正式に加わることで、研究から商用段階まで、同一の評価軸によるシームレスな性能評価ソリューションを提供します。
主な特長
- 1. MW(メガワット)クラスの大型電解槽の測定を実現
- これまでは実証から商用段階レベルの大型電解槽のEIS測定は困難でした。ALDAS-Eは最大でスタック電圧が1,000 V、電解電流が10,000 Aとなり、数百kW(キロワット)からMWクラスの電解槽でも測定が行えます。
- 2. 評価サイクルの短縮
- 一般的に使用される電気化学測定器は、1回のEIS測定に30分以上の時間がかかる場合もあります。一方ALDAS-Eは、1回あたり約7.6分*4の測定を実現しました。測定時間の大幅な短縮により、ユーザーの測定サイクルを改善します。
- *4: 測定条件による
- 3. 既存設備にも簡単接続
- クランプ方式を採用したALDAS-Eは、現在使用している既存の電解槽、評価装置を改造することなく接続できます。そのため、既存設備の改造コスト無しにEIS測定を行えます。
- 4. 複数セルの同時計測
- セルスタック内で最大48セルの同時計測に対応し、スタック全体、およびセルごとの性能比較を可能にします。
主な用途
- 数百kWからMWクラスの大型のスタックEIS測定
- セルスタックの加速劣化試験
- 長時間耐久試験におけるオーミック抵抗のモニタリング
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本件に関するお問い合わせ先
日置電機株式会社 プロダクトマネジメント部
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