製品・技術 2025.10.03
実車走行試験でもラボユース並みの高確度な電力計測を提供 — パワーアナライザPW4001を発売
- HIOKI パワーアナライザ PW4001
HIOKI(日置電機株式会社:長野県上田市、代表取締役社長:岡澤尊宏)は2025年10月3日、最新のモビリティの電力評価試験で要求される高確度を実現するとともに、コンパクトで携帯性に優れた電力計測ソリューション「パワーアナライザPW4001」を発売します。当社パワーアナライザ PW3390の後継機種である本製品は、ラボユース並みの高確度、フィールドユース向けの耐久性を備え、BEVやHEV、PHEVといった電気自動車などの次世代モビリティにおける電力計測の新たな常識を確立します。
開発の背景
現在、輸送機器の電動化はかつてないペースで世界的に加速しています。国際エネルギー機関(IEA)によると、世界のEVの販売台数は過去最高を記録した2024年の1,700万台に続き、2025年には2,000万台を超え、世界の新車販売台数の4分の1以上のシェアを占める見込みです*¹。急速なEVの普及により、研究室だけでなく過酷な環境やフィールド評価試験など実際の使用環境下における高確度な電力計測の需要が高まっています。
パワーアナライザPW4001はインバーター信号や急速な電力変動、バッテリー駆動時間などの計測において、エンジニアの要求に応える性能を実現しています。
- *1: More than 1 in 4 cars sold worldwide this year is set to be electric as EV sales continue to grow
製品の特長
1. フィールド試験でもラボユース並みの高確度
計測対象の電力が小さくても高確度な測定を実現し、エネルギー消費や航続距離の正確な評価が可能です。PW4001はコンパクトな筐体ながらDC~50/60 Hzにおいて±0.04 %の高い基本確度を保証しています。
- ラボユース並みの高確度をフィールドで。HIOKI パワーアナライザ PW4001
2. 高速・広帯域の計測性能
SiCインバーターの電力変換効率やスイッチング損失を確実に評価可能です。2.5 MHzサンプリング、600 kHzまでの帯域幅により、PWM制御により発生する高周波電力も正確に捕捉します。
3. 実車走行試験に最適な携帯性と堅牢性
フィールドでの実車走行試験のため、車両への搭載が容易な質量4.6 kgの軽量設計を実現し、外部DC電源での駆動に対応しました。また極端な低温や高温などの厳しい環境下でも信頼できる計測を提供するため、動作温度は−20℃~+50℃の広い範囲に対応しています。
4. 安全で迅速な試験セットアップ
PW4001は車両のCAN信号から電圧値を直接取得できるため、エンジニアは安全に配線作業を完了できます。車両のOBD-II端子を使って配線できるため、迅速な設置が可能です。
主な用途
・型式認証、規格試験
BEV、HEV、PHEV、FCVといった電気自動車の電力計測においてWLTPやSAE J1634といった国際試験規格に適合する信頼性の高い計測が可能なため、型式認証や規格試験に最適です。
・実車走行試験
コンパクト設計とDC電源対応により、フィールド走行試験にも柔軟に対応できます。乗用車、二輪車、eモビリティなどいずれのプラットフォームでも、実際の走行状態における高確度計測が可能です。
・電池評価および耐久性能試験
EVだけでなくエネルギー貯蔵システム(ESS)やデータセンターのバックアップ電源など、次世代エネルギーインフラの研究にも活用できます。安定的で再現性の高い計測は、ESSの長期的な電池効率、熱特性、ライフサイクル耐久性などの確実な評価を支援します。
製品ラインアップと価格
- パワーアナライザ PW4001-01
定価1,140,000 円(税込み 1,254,000 円) - パワーアナライザ PW4001-02
定価1,340,000 円(税込み 1,474,000 円、D/Aオプションつき) - パワーアナライザ PW4001-03
定価1,340,000 円(税込み 1,474,000 円、モータ解析オプションつき) - パワーアナライザ PW4001-04
定価1,340,000 円(税込み 1,474,000 円、DC電源オプションつき) - パワーアナライザ PW4001-05
定価1,540,000 円(税込み 1,694,000 円、フルオプション D/A、モータ解析、DC電源)
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本件に関するお問合せ先
日置電機株式会社 プロダクトマーケティング部
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