抵抗率とは?
概要
電気抵抗は、モーター巻線の品質チェックやバスバー溶接の品質検査など、多くの用途で品質指標として広く使用されています。材料の固有の性質である抵抗率は、製品設計や材料開発における材料選択において重要な役割を果たします。
このページでは、抵抗率の概要と測定について説明します。
抵抗率とは?
抵抗率は、材料固有の電気的特性で、電流の通しにくさを示す指標です。
材料はその抵抗率の大きさ別に、導電性材料、半導体、および絶縁材料の3つのタイプに分類できます。ほとんどの製品は、特定の機械的、化学的、または電気的な要求を満たすために、これら異なるタイプの材料を組み合わせて使用しています。例えば、MOSFETのような半導体デバイスでは、基材として半導体ウェハを使用し、ボンディングには金属ワイヤーを、パッケージングには絶縁材料を使用します。これら材料の最適な組み合わせを見つけるための指標の一つとして抵抗率は使用されます。.

なぜ抵抗率か?
電気抵抗が物体のサイズに依存するのとは異なり、抵抗率は材料固有の特性です。異なる長さと抵抗率を持つ2本のケーブルの抵抗値を測定する場合、どちらのケーブルがより多くの電流を伝えることができるかを判断するのは簡単ではありません。電気抵抗測定は、電流が各ケーブルをどれだけ容易に通過するかの指標を提供するだけであり、どの材料が本質的により多くの電流を通すかを直接的には明らかにしません。しかし、抵抗率を調べることで、異なる材料の固有の電気抵抗を比較でき、その導電特性をより明確に理解することができます。
抵抗率の種類
一般的に抵抗率として体積抵抗率と表面抵抗率が使用されます。体積抵抗率はρV [Ω⋅m]で表され、材料の抵抗値(R)と断面積(S)に比例し、長さ(L)に反比例します。この特性は、材料のサイズや厚さに関係なく一定です。一方、表面抵抗率はρS [Ω/□ または Ω/sq.]で表され、シート抵抗とも呼ばれ、材料の厚さに依存します。表面抵抗率は特に薄い材料の特性評価に有用です。
抵抗率の測定
抵抗率の測定方法は材料によって異なります。金属箔や半導体ウェハなど、低抵抗から中抵抗(数 µΩ⋅m~100 MΩ⋅m程度)の材料では、接触抵抗やケーブル抵抗による誤差を排除できる四端子測定法(定電流法)と呼ばれる測定方法が用いられます。この方法では、あらかじめプローブ間隔が固定された四探針プローブを使用して測定を行うことから、四探針測定法と呼ばれることがあります。 一方、絶縁材料などの高抵抗(100 MΩ⋅m以上)の材料では、電圧計への漏れ電流による誤差を排除するため、二端子測定法(定電圧法)による測定方法が一般的に用いられます。
二端子測定法
四端子測定法
抵抗率は測定方法や条件によって影響を受ける可能性があるため、異なる材料の抵抗率を比較する際には、測定条件を一定にすることが重要です。IEC 61340-2-3やASTM D-257などの工業規格を参照することで、同じ測定条件で測定結果を比較できます。
ハンディタイプのデジタルマルチメーターは、非常に低い抵抗や非常に高い抵抗の測定には適していない場合があります。これらの用途には、専用のツールが推奨されます。低抵抗材料には抵抗計、高抵抗材料には超絶縁計(エレクトロメータ)が適しています。
低抵抗率:抵抗計
抵抗計と四探針プローブを用い、測定対象に測定電流を印加し、その際に生じる電圧降下を測定することで抵抗値を算出します。その後、測定された抵抗値に補正係数を適用して、プローブの間隔や測定対象の形状による測定への影響を減少させ、抵抗率を決定します。
低抵抗材料の測定装置例
高抵抗率:超絶縁計
高抵抗材料の場合、超絶縁計が使用され、試験電極と組み合わせて測定が行われます。試験電圧をかけると、測定対象を流れる電流は時間とともに変化することがあります。試験条件を合わせるために、通常、試験電圧をかけてから1分後に抵抗値が測定されます。
高抵抗材料の測定装置例
まとめ
抵抗率は、材料固有の電気的特性であり、電流の流れにくさを示します。これは、サイズや形状によって変わる電気抵抗とは異なります。抵抗率は、電子機器や絶縁材などさまざまな用途における材料選択において重要な指標です。 材料の特性に応じて、低抵抗材料には四端子測定法(四探針測定法)、高抵抗材料には二端子測定法など、異なる測定方法が使用されます。標準化された条件と専用のツールを使用することで、正確で比較可能な抵抗率の測定をおこなうことができます。
抵抗率と抵抗の測定について理解を深めるために、以下の関連する資料を併せてご覧ください。






