デジタルマルチメーターとは?

デジタルマルチメーターとは?基本情報やアナログテスターとの違いを解説

概要

電子機器の状態を確かめるためには計測器が必要となります。目に見えない電子機器の状況は、デジタルマルチメーターがおすすめです。デジタルマルチメーターとは、「そもそもどのようなものなのか」「アナログテスターとの違いはあるのか」など、 いまさら聞けないデジタルマルチメーターの基本的な知識や種類、デジタルマルチメーターの選び方などについて、詳しくご紹介します。

初心者でも簡単に使えるデジタルマルチメーター

デジタルマルチメーターとは、電圧、電流、抵抗などが測定できる計測器です。測定値がデジタル表示されるため直読でき、初心者でも読み取りやすいでしょう。

デジタルマルチメーターの機種によっては、測定レンジを選ばなくても自動でレンジ切替えをしてくれるものもあります。そのため、初心者でも比較的簡単に操作できます。もちろん、アナログテスターにも「測定中の変化を読み取りやすい」「デジタルで見えづらい場所でも針なら感覚的に理解しやすい」などのメリットもあります。

デジタルマルチメーター、アナログテスターともにメリットがあるため、どのようなことを計測したいのか、目的を明確にして選択するようにしましょう。

  • 初心者でも簡単 デジタルマルチメーター
  • 針が値の変化を示す アナログテスター

高精度なデジタルマルチメーター

デジタルマルチメーターは高精度といわれていますが、測定結果自体の精度はアナログテスターでも大きく変わりません。しかし、ここでいう高精度とは、デジタル表示が表示桁数を多く表示できるため、より高分解能に対応できるという意味です。アナログテスターは、値を指針で示すため、計測者が指示値の読み取りを間違える可能性があります。いわゆる「読み取り誤差」といわれるものです。

しかし、デジタルマルチメーターは表示がデジタルなので読み取りミスなどが起きにくいことがメリットです。ヒューマンエラーというのは、どれだけ意識しても引き起こされる可能性があるため、「読み取りやすいデジタルのほうが良い」という方も少なくありません。

また、アナログテスターと異なり、細かい目盛りを読まなくても数値を直読できるため、暗い場所でも読み取りやすいなどのメリットもあります。このように、「読み取りやすさ」という点で特に「デジタルマルチメーターは優れている」といえるでしょう※1。デジタルマルチメーターの機種によっては、PCとデータ連携できるものもあるため、より間違いのないデータ測定が可能です。

  • ※1変動性が高い現象を測定する場合、デジタルでは最小桁の数値が変動し、測定値を読み取りにくい場合があります。その場合、アナログテスターでは指針が機械的に追従できないことにより、平均値として読み取りやすい場合もあります。

デジタルマルチメーターの種類

デジタルマルチメーターは、大きく分けて次の2種類に分類できます。

ハンドヘルドタイプ

ベンチトップタイプ

  • 5-1/2 桁デジタルマルチメーター
  • DC電圧測定用に特別に設計された7-1/2桁の高精度モデル

ハンドヘルドタイプとは、手で持って使用できるようにコンパクトな設計になっています。持ち運び簡単なため、研究室から現場作業まで、さまざまな用途で使用できます。コンパクトだからといって機能が少ないというわけではなく、ハイエンドモデルもあるため、用途に合わせた選択が可能です。また、ハンディ型やカード型、ペン型など、さまざまな形状があります。

一方、ベンチトップタイプとは、据え置き型のデジタルマルチメーターのことです。作業台や、システム、生産ラインなどに組み込まれていることが多く、表示桁数が多いものもあります。また、測定データの転送や、アベレージング、高機能演算など、本体単独もしくは、コンピューターと組み合わせて使用できる高付加価値タイプのデジタルマルチメーターも多い傾向です。

デジタルマルチメーターを選ぶ際には、「持ち運びの必要があるのか」「ベンチトップタイプでないとできない機能があるのか」などについて検討してから選ぶようにしましょう。

デジタルマルチメーターの選び方

デジタルマルチメーターは、さまざまな機能があるため、初めて購入する場合は「何を選べばいいのかわからない」という方も多いかもしれません。まずは、必要な機能を有しているか、測定レンジ、測定分解能などを確認しておきましょう。また、作業現場など外で作業する場合は、その場所に耐えるように設計された機種を選ぶことをおすすめします。

持ち運びの必要がある場合、大きな機種は使いにくいでしょう。また、小型といってもコンパクトでシンプルなカード型から、機能的なハンディタイプまであるため、使用環境もしっかりと検討しておくと安心です。さらに、用途にあった精度のデジタルマルチメーターを選定することも重要になります。

もちろん、機能が多いデジタルマルチメーターの場合、どのようなシーンでも使用できる点はメリットです。しかし、それほど精度を要しないシーンでの使用が多い場合は、価格が高くなるものを選ぶ必要はありません。自分が必要な精度や機能を有する機種を選びましょう。
加えて、作業現場の安全性に適したデジタルマルチメーターを選択することも大切です。

自分に合ったデジタルマルチメーターを選ぼう

デジタルマルチメーターは、数値の読み取りが容易で、高精度・高分解能といった高機能なものが主流です。非常に種類が多いため、「自分にあったマルチメーターを選ぶのに迷ってしまう」という方も少なくありません。デジタルマルチメーターの選び方としては、まず「自分がどのような機能を使いたいのか」を確認することが重要です。
加えて、使用環境や安全性なども考慮すると、より一層自分に合ったデジタルマルチメーターを選ぶことができるでしょう。

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