デジタルマルチメーターの使い方

デジタルマルチメーターの基本的な使い方とメリットやデメリット

概要

電子機器は、電気によって動作します。しかし、電気は目に見えないため、安全性や品質の確認、トラブル時の原因究明には、デジタルマルチメーターなどの計測器を使用する必要があります。
デジタルマルチメーターは操作キーや測定端子が非常に多く、一見すると操作が難しいような印象を受けますが、実は意外と簡単に使いこなすことができます。本ページでは、デジタルマルチメーターの説明やアナログテスターとの違い、使い方などについて詳しくご紹介します。

デジタルマルチメーターとは?

デジタルマルチメーターとは、1台で電圧や抵抗、電流、静電容量、導通など、複数の測定ができる計測器です。現代の生活では、さまざまなものが電子機器によって制御されています。スマートフォンなどの普及によって、「今や電子機器に触れることなく日常生活を送ることはない」といっても過言ではないでしょう。
電子機器は、非常に精密なもので、かつ電気は目に見えません。例えば以下のようなときは、目視で電気的に正常か否かを判断できません。

  • 電子機器の調子が良くないとき
  • 製造された電子機器の安全性や品質を確認をしたいとき

しかし、このような場合にデジタルマルチメーターがあれば、さまざまな角度から電子機器の状態を確認できます。また、デジタルマルチメーターは、電子機器の専門家だけではなく、一般の消費者や子どもの電子工作などでも幅広く使用する場面があります。正しい使い方をマスターできれば、電子工作をより快適に楽しむことができるでしょう。

デジタルマルチメーターとアナログのテスターの違い

近年では、デジタルマルチメーターの種類も多くなりましたが、以前のテスターはアナログテスターが普及していました。デジタルマルチメーターは、測定した数値をデジタルの数字で表示される一方、アナログテスターは指針の振れと目盛り板によって、数値を測定できます。

デジタルマルチメーターの機能には、アナログテスターができないテストができたり、正確に数値が読み取れたりします。一方、アナログテスターは指針の振れ方で、計測値の変化を読み取れることができるメリットもあります。このように、デジタルとアナログどちらのテスターにもメリットとデメリットがあるため、自分が必要な状況に合わせて選ぶようにしましょう。
もし、自分に必要とする機能が、デジタルとアナログのどちらにも備えている場合は、個人の好みで選んでも構いません。

デジタルマルチメーターのメリットとデメリット

ここでは、デジタルマルチメーターのメリットとデメリットについて、簡単にご紹介します。

メリット

  • 測定値を直読できるため、正確に読み取れる。
  • 入力インピーダンスが高いため、計器損失が少ない。
  • 内部でデジタル演算ができるため、電圧、抵抗以外の他の値(静電容量、周波数、PEAKなど)も表示できる高度な機能を備えた機種がある。
  • PCと接続し、測定データを転送できる機種もある。
  • 交流電圧と周波数測定
  • 静電容量測定

デメリット

  • 測定値が安定するまで、デジタル値が変動して読み取りにくい場合がある。
  • 測定現場によっては値が安定するまで時間がかかり、作業のスピードが遅くなる。
  • 外来ノイズの影響を受けやすい。

デジタルマルチメーターは、デジタルならではの正確性に加え、アナログテスターではできないような高機能演算ができます。データ転送機能など、作業効率アップにつながる機能がある点も魅力的でしょう。ただ、一方で測定対象によっては測定数値が安定して固定されるまで時間がかかるなど、アナログよりも測定に時間がかかるケースもあります。

デジタルマルチメーターの使い方

デジタルマルチメーターの使い方を、簡単にご紹介します。

  • デジタルマルチメーター

電源を入れる

最初にロータリースイッチを切り替えて電源を入れます。デジタルマルチメーターは、電池や交流電源で動いているため、もし電源が入らない場合は電池交換や電源周りを確認しましょう。

測定項目とレンジを選択

次にロータリースイッチと設定キーで、測定したい項目と測定レンジを選択します。デジタルマルチメーターの種類によっては、レンジを選択しなくても自動で適切なレンジに切り替えをしてくれるものもあります。もし、手動でレンジを切り替える必要がある場合は、まず大きなレンジで測定しながら、小さいレンジへ切り替えていき、適切なレンジを見つけるようにしましょう。
また、交流電圧と直流電圧を自動判別できる機能を持つデジタルマルチメーターもあります。

  • ロータリースイッチで測定項目に切り替える
  • 設定キーでレンジ選択

テストリードを装着

デジタルマルチメーターの端子に、テストリードを装着して測定を開始します。赤いテストリードを挿入する端子は、電流、電圧、抵抗、または他のパラメータを測定するかどうかによって配置が異なるため、注意してください。
測定前に、ゼロアジャストをしておくと、より正確な数値を計測することができます。
また、「低抵抗測定」「絶縁抵抗測定」「接地抵抗測定」「インピーダンス測定」などを行いたい場合は、専用の計測器が必要となるため、注意してください。

テストリードの装着

デジタルマルチメーターを使いこなそう

電子機器が普及した現代社会において、安全性や品質、故障などの確認のためにデジタルマルチメーターは欠かすことができないツールとなりました。デジタルマルチメーターは、アナログマルチメーターに比べて一部デメリットもありますが、さまざまな測定項目や、データ連携などの高機能な測定ができる点はメリットです。
ぜひ使いこなして、仕事や工作などのさまざまな場面で活用していきましょう。

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