スラリー解析システム (解析ソフトウェア: クラウド版)

理想的なスラリーの内部状態の推定・追求に

スラリー解析システムでできること

スラリー解析システムは、スラリーのインピーダンスの「計測」と、その情報を「解析」するシステムです。
計測によりスラリーのインピーダンスを把握し、解析によりスラリーの混ざり具合を推定できます。

特長

  • HIOKI独自の解析技術により、LIB電極スラリーのインピーダンス測定値を解析
  • HIOKI推奨の計測環境で、簡単にスラリーのインピーダンスを測定可能
  • 解析結果「DCR、Rratio、Uniformity」でスラリーの電子伝導性を示す
  • クラウド上の解析ソフトウェアを最新バージョンで利用可能
  • お客様の利用計画に合わせたライセンスプランを提供

形名(発注コード)

SA2631-03 ライセンスカード、ご利用期間30日間(連続) ※解析件数の制限はありません ¥165,000(税込 ¥181,500)
SA2631-05 ライセンスカード、ご利用期間365日間(連続) ※解析件数の制限はありま せん ¥1,650,000(税込 ¥1,815,000)
SA9001 電極セル, NMP溶媒用, 50個単位での販売 (表示価格は50個のもの) ¥27,500(税込 ¥30,250)
SA9002 SA9001専用テストフィクスチャ ¥385,000(税込 ¥423,500)
IM3536 LCRメータ, 測定周波数: DC, 4 Hz〜8 MHz ¥539,000(税込 ¥592,900)
IM3536-01 特注品:10 MHzまで対応 お見積り
* 電極セルとライセンスは、ご利用頻度や実験計画に応じてご購入ください。
* 解析のご利用を含め、お客様とセンシティブな情報を共有させていただきます。ご購入に際して販売店様の介在につきましては、お客様にてご判断いただきますようお願いいたします。

スラリーを測る

HIOKI推奨の計測環境で、簡単にインピーダンスを測定することができます。
1つの電極セルあたりたった1分の計測時間で、手軽にナイキストプロットを描けます。
ナイキストプロットを比較することで、サンプル間のインピーダンスの大小比較と安定性を定性的に確認することができます。

以下のWebアプリでナイキストプロットの描画ができます。

https://www.circuitfitting.net/multiplot

スラリーを解析する

スラリー解析システムは、電子伝導性からみたスラリーの混ざり具合を推定するのに活用できます。

このイラストは、スラリー中の導電材料により形成されるネットワークの「発達度合い」と「均一性」を2軸で表現しています。
HIOKIは、発達度合いと均一性がともに高い状態を、より良いスラリーだと考えます。

スラリー解析システムは、スラリー中の導電材料によって形成されるネットワークを、測定したインピーダンス情報から解析します。
この解析値はスラリーの組成・製造条件の検討・考察に貢献し、スラリーの研究・開発を効率化します。

※解析できないデータもあります。
どのようなデータが解析に適しているかは、以下のリンク先をご覧ください。

FAQ:どのようなインピーダンスデータが解析できますか?

基本的な使い方

計測環境を用意いただき、スラリーのインピーダンスを計測します。 クラウド上の解析ソフトウェアが最適なアルゴリズムで解析します。

1. 計測環境を用意
スラリーのインピーダンスを計測するための計測機器をご用意ください。推奨計測機器は、以下のとおりです。
- LCRメータ IM3536 または IM3536-01(測定ソフトウェアSA2633 を無償提供)
- テストフィクスチャ SA9002
- 電極セル SA9001

2. 推奨環境で計測
電極セルに約1mLのスラリーを充填します。
テストフィクスチャにワンタッチで接続します。
LCRメーターと解析ソフトウェアで、約1分でインピーダンスを計測します。

3. 解析ソフトウェアにログイン
アカウントは無料で作成できます。
解析機能は登録コードを登録すると有効化されます。登録コードは購入したライセンスカードに記載されています。
解析ソフトウェア ログインページ

4. データを送信し、解析値を取得
計測データと解析条件を選択して解析します。
※解析条件は仕様をご覧ください。

スラリー解析システム 仕様はこちら

解析原理

スラリー解析システムは、スラリーの導電特性を相対評価できるDCR、Rratio、Uniformityの3 つの定量指標をアウトプットします。

スラリーに交流電流を流したときの
・電流の流れ方
・電子の動き方
に対応する電気等価回路(EEC)を構築します。

詳しくはこちらのFAQをご覧ください。

解析原理FAQはこちら

解析・考察事例

実際にどのように解析ができるかをご覧ください。

・事例1:混錬時間違いによる差異を解析する
・事例2:導電助剤量の違いを解析する
・事例3:分散剤量違いによる電子伝導性と動的粘弾性の関連性を解析する

解析・考察事例はこちら

解析ソフトウェア SA2632

動作環境(PC) メモリー: 512 MB以上
ハードディスク: 1 GB以上の空き容量
ディスプレー: 1024×768ドット以上、65536色以上
OS:
Windows 11, Windows 10 Pro, Windows 8.1 Pro
動作確認済みブラウザー: Microsoft Edge, Google Chrome

Mac OS
動作確認済みブラウザー:Google Chrome
ログイン機能 URL(https://slurry.circuitfitting.net/)にアクセスすると、ログイン画面が表示される
GENNECTアカウントでログインすると、解析に関する画面が表示される(マイページ)
ライセンス認証 ・30日間ライセンス
・365日間ライセンス
ライセンスが有効である場合のみ、解析機能が利用可能
解析項目 ・DCR
・Rratio
・Uniformity
インピーダンスデータファイル
アップロード
・同時アップロードファイル数上限:30
・合計アップロードファイル容量:1MB
・ファイル拡張子:CSV
同時アップロードしたファイルは同一の材料情報と解析条件になる
対応可能なファイルフォーマット 測定ソフトウェア(SA2633)で取得したCSVファイル
解析時間(代表値) ・約1分/ファイル
・同時解析ファイル数:50
言語 日本語、英語(初期設定:英語)

測定ソフトウェア SA2633

動作環境(PC) メモリー: 512 MB以上
ハードディスク: 1 GB以上の空き容量
ディスプレー: 1024×768ドット以上、65536色以上
インターフェイス: USB2.0以上を搭載
OS: Windows 8.1(32ビット/64ビット)
Windows 10(32ビット/64ビット)
Windows 11(64ビット)
.NET Framework: 4.7.2
制御対象機器 LCRメータ IM3536、LCRメータ IM3536-01
測定データ保存機能 測定されたインピーダンスデータをSA2632解析ソフトウェアで読み込み可能なフォーマットで出力する
ファイル拡張子:CSV
測定時間 約1分

電極セル SA9001

外形寸法 約27W × 42H × 37D mm(電極を含む)
質量 約2.3 g
材質 容器:ポリプロピレン(PP)、電極:黄銅(ニッケルめっき)
容量 約1 mL
電極ピン 直径(測定物接触部): 3 mm ±0.1 mm
電極間隔: 6 mm ±0.3 mm
使用温湿度範囲 23°C ±5°C、80% RH以下(結露しないこと)
保存温湿度範囲 −10°C~50°C、80% RH以下(結露しないこと)
使用場所 屋内、高度2000 mまで
製品保証期間 消耗品のため保証対象外

テストフィクスチャ SA9002

測定可能周波数 DC ~ 10 MHz
接続可能試料 SA9001 電極セル
残留インピーダンス 短絡時残留抵抗 200 mΩ以下(100 Hz時参考)
電極間浮遊容量 0.2 pF以下(1 MHz時参考)
外形寸法 約98W × 38H × 24D mm(突起物を含まない)
質量 約210 g
付属品 補正用ショートプレート

測定条件*

*IM3536またはIM3536-01以外の計測器を使用する場合

・電極セル SA9001をご利用ください。解析アルゴリズムはSA9001使用を前提としています。
・テストフィクスチャ SA9002は、接続可否をご確認ください。
・以下の測定条件でデータを取得してください。
・送信用CSVファイルを準備してください。
周波数掃引範囲 最低周波数:0.9 mHz以上 110 kHz以下
最高周波数:190 kHz以上 310 MHz以下
測定点数 対数間隔で490点以上 1100点以下
印加信号 定電圧±100mV
測定項目 周波数、Rs(ReZ)、X(ImZ)

必要な測定点数は測定周波数帯域によって異なります。
以下を参考にしてください。

・1 mHz~200 kHz:700点
・1 mHz~8 MHz:1000点
・4 Hz~8 MHz:500点
・4 Hz~300 MHz:1000点
・100 kHz~300 MHz:500点

解析条件

・材料カテゴリーの組み合わせにより、適切な解析アルゴリズムで解析します。
・選択できない組み合わせ、材料カテゴリーが存在しない場合もあります。その場合は、デフォルトモデルで解析できます。
・構成比情報は不要です。
・解析不可の場合もあります。
・材料カテゴリーは、順次追加していきます。
活物質 NMC、LCO、NCA、LFP、LMO、MnO2/CFx、黒鉛、LTO、Si、SiO、活性炭、無し
導電助剤 アセチレンブラック、ファーネスブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト
バインダー PVDF、SBR、PTFE、無し
分散剤 CMC、MC、PVP、無し
溶媒 NMP、水

電極セル・テストフィクスチャ・ライセンスカード (4)

* 電極セルとライセンスは、ご利用頻度や実験計画に応じてご購入ください。
* 解析のご利用を含め、お客様とセンシティブな情報を共有させていただきます。ご購入に際して販売店様の介在につきましては、お客様にてご判断いただきますようお願いいたします。