電圧とは?

電圧ってなに?電流との違いや計測単位などをわかりやすく解説

概要

電子機器を取り扱ううえで、電流や抵抗、電圧などはしっかりと把握しておく必要があります。ただ、何となく単語を知っているだけで、詳細に理解できていない方も多いのではないでしょうか?ここでは、電圧とはどのような定義がされているのか、電流や電位との違いはどのようなものなのか、そのほかにも電圧の測定方法などについて、わかりやすくご紹介します。

電圧とは?

電圧とは、電気を押し出すための圧力のことです。電圧の高さの単位は、ボルト(V)が用いられ、電圧が高くなればなるほど、電子機器に多くの電気を流すことができます。ただし、電子機器には適正な電圧が必要であり、過剰な電圧は回路の故障を引き起こす原因となりかねません。

また、逆に必要な電圧に足りない場合でも、回路を起動することができずに使用できないなどのトラブルへとつながる可能性があります。電子機器を適切に扱ったり、トラブル発生時に問題点を見つけたりするためには、電圧について理解したうえで、対処していく必要があるでしょう。

電圧と電流の違い

電圧とは、先にご紹介したように簡単に説明すると電気を流すための能力のことをいいます。電圧は、目で直接確認できるものではないため、「イメージしにくい」と感じる方も多いのではないでしょうか。電圧を理解するためには、「電気とはどのようなものなのか?」を理解していきましょう。

電気とは、電流として流れているものです。イメージとしては、川などの水の流れを想像してください。川の水の流れは、上流の山から下流の海に向かって流れていきます。つまり、水位の高い場所から水位の低い場所へと流れていくのです。電気も同様であり、水でいう水位に該当するものを「電位」と呼び、電気は電位の高い場所から電位の低い場所へ電流として流れていきます。

電気とは水の流れに似ている

そして、互いの電位差のことを電圧として表現することができるのです。いわば、電圧は電気を流せる圧力ということになります。なお、物理学の世界においては、オームの法則(電圧=抵抗×電流)によって算出可能です。

抵抗とは、電気の流れにくさのことです。水道管のパイプをイメージしましょう。パイプが小さいと抵抗が大きくなり水は流れにくくなりますが、水の流れる強さは大きくなります。一方、パイプが大きくなると水は簡単に流れますが、流れる強さは弱くなります。電流においても、同様の状況といえるでしょう。電圧に対して抵抗と電流は比例関係であり、それぞれが大きくなればなるほど、電圧の大きさも大きくなるのです。

電圧の計測方法

電圧を計測するためには、マルチメーター(マルチテスター) を使用して計測します。マルチメーターは、電圧以外にも導通チェックや電流、抵抗、温度、容量などを計測可能です。マルチメーターには、アナログとデジタルがありますが、デジタルは、数値として表記されるため、読み間違えもなく使いやすいでしょう。

マルチメーターで、電圧を測定する場合には、プラスとマイナスのテストリードを装着して、電圧測定(V)にロータリースイッチを切り替えます。次に、測定対象の両端にテストリードを接続します。アナログテスターの場合、電圧の測定レンジは、大きめの数字からあわせていきます。

数値に反応がなければ、測定レンジを徐々に小さくしていくと、適切なレンジであれば電圧量が測定可能です。デジタルテスターであれば、測定レンジを自動で設定してくれるものもあるため、より簡単に測定できるでしょう。

直流と交流の違い

電流と一口にいっても、「直流」「交流」の2種類があることをご存じでしょうか。直流は、電気が流れる際にその流れる方向や電流の大きさ、電圧の大きさが変わらない流れ方のことです。身近なものとしては、乾電池を思い浮かべてください。乾電池は、一方向の電圧と電流を生成します。

乾電池に、豆電球をつなぐと電力が残っている限り、一定の光量で点灯し続けることが可能であり、これが直流の特徴です。直流は、平流や脈流などの波形で流れます。

  • 平流、脈流、脈流
    直流波形の例

一方で、交流とは、方向と大きさがゼロ位置に対して周期的に変化する電圧、電流のことを言います。代表的なものとしては、家庭用のコンセントなどがそれに該当します。交流は正弦波や三角波、パルス波など一定のリズムで電圧や電流の流れが変化するのです。

  • 正弦波、方形波、のこぎり波、三角波、パルス波、ひずみ波
    交流波形の例

直流で動作する回路は、乾電池のプラスとマイナスの入れ方が決まっています。回路によっては、プラスとマイナスを逆にすると、正常に動作しません。しかし、家庭用コンセントのプラグの左右を差し替えても基本的に動作します。交流は、交互に電気が流れることから、その瞬間ごとに電気の大きさが異なります。これを瞬時値といい、「最大値」「最小値」「平均値」「ピークツーピーク値」「実効値」など、状況に応じた数値で表現する場合があります。

電圧測定が必要な場合はマルチメーターの活用を

電圧は、電気を送る能力がどれくらいあるかを示すものです。電位差や電流、抵抗などと大きくかかわってくるので、電圧だけではなく全体的に把握しておくようにしましょう。電圧を測定したい場合には、マルチメーターが必要です。簡単に使うことができるので、電圧測定が必要な場合にはぜひ活用しましょう。

関連製品

関連記事