リチウムイオン電池の電極スラリーとは?
電極スラリーとは?
電極スラリーは、以下の電極材料を有機溶媒に分散したものです。リチウムイオン電池の電極シートは、金属箔に電極スラリーを塗布したものです。
電極スラリーの材料と役割
- 活物質:リチウムイオンを反応させる役割
- 導電助剤:電子伝導を促進する役割
- バインダー:活物質、導電助剤を決着させる役割
電池の高容量化のためには、導電助剤の比率を小さくし、活物質比を上げる必要があります。一方で、電池の内部抵抗を減らすためには十分な電子伝導性を持つことが重要で、適度な導電助剤量が必要となります。このトレードオフにより、活物質:導電助剤比の最適化が重要となります。
電極スラリーの材料の分散性によるリチウムイオン電池への影響
電極スラリー中の活物質や導電助剤の分散性が重要です。それぞれの影響についてみていきましょう。
活物質
活物質の各粒子の表面に電解液を確実に接触することによって、イオンの反応が大きくなります。例えば、電池特性において容量アップになります。
導電助剤
電極スラリーの混ぜる力が弱いと導電助剤はうまく分散しません。逆に強すぎると形成された電気の流れが破壊され、良い電子伝導が得られません。
活物質と導電助剤が分散していない状態で電池を組み上げると、電荷が集中することになり、不均一な電池反応が起こり、好ましくありません。
HIOKIが提案するスラリー解析システムは、スラリー状態で計測したインピーダンス値を解析し、分散性を推定できる指標をアウトプットします。