抵抗とは?
抵抗とは何か?抵抗の基礎、計算方法、抵抗器について学びましょう
概要
学生時代に電気の抵抗という言葉を聞いたけれど、今一つ理解できていない方も多いでしょう。しかしわからないからといって、いまさら人に聞くのも躊躇してしまうものです。簡単に言えば、抵抗とは電気の流れに逆らう力です。
抵抗は電気の流れに影響を与えます。ここでは、電気抵抗についての基本知識や電気抵抗の計算方法、そして抵抗器などについて詳しくご紹介します。
抵抗とは?
電気抵抗とは、電流の流れを妨げる力のことです。つまり、電気抵抗は電流が流れにくいかどうかの指標となります。抵抗値はオーム (Ω) で表されます。
2つの端子間に電位差が生じると、電気は高いほうから低いほうへと流れていきます。この電流を妨げるものが抵抗です。抵抗が大きいと、電流は小さくなります。そして、逆に抵抗が小さいと電流は大きくなるのです。
抵抗の求め方
この電気の抵抗は、回路に流れる電圧と電流を使うことで数値として計算することが可能です。
- 抵抗=電圧/電流
この式は「オームの法則」として知られています。電圧が一定である場合に、分母となる電流が大きければ大きいほど抵抗値は小さくなります。そして、逆に、電流が小さくなるにつれて抵抗値は大きくなります。つまり、大きな電流が流れる回路については電気抵抗が小さく、電流が小さいほど抵抗が大きい回路となるのです。
抵抗は原則として電気が流れる物質の種類や温度、そして長さによって決まります。一般的に金属は電気抵抗が低いため電気が流れやすいですが、金属の中にも違いがあり、銀→銅→金→アルミニウム→鉄の順で抵抗が大きくなります。また、温度が低いと抵抗も小さくなりますが温度が高くなると抵抗が大きくなります。
さらに、電気の流れる距離が長くなるほど電気抵抗は大きくなるのが特徴です。その他にも、流れる物質の断面積が大きいほうが、電気が通りやすくなるため抵抗が小さくなり、断面積が小さいと抵抗が大きくなります。
物質の断面積と流れる電流量の関係
抵抗器とは?
抵抗器とは、回路内において電気を流れにくくするための電子部品です。水の流れを水道の蛇口で調整するように、電気回路内でも電流や電圧の調整をするため抵抗器が使用されます。電流の流れを制御するだけではなく、回路内の電圧を分配する役目などがあるのです。
電子回路を適切な状態で動作させるためにも、抵抗器は必要になります。抵抗器は電気を流れにくくする材料で構成されており、抵抗器を通る際に電気の流れを阻害します。これにより、回路全体に流される電流を制御することができるのです。抵抗器によって電流が小さくなると、余った電気エネルギーは熱へと変換されます。
抵抗器
一言で抵抗器といってもさまざまな種類があり、主な抵抗器は次の通りです。
- 固定抵抗器
- 可変抵抗器
- 半固定抵抗器
固定抵抗器は、主なものとして炭素皮膜抵抗器と金属皮膜抵抗器があり、抵抗体に炭素が使われているか金属が使われているかによって異なります。抵抗値は一定です。可変抵抗器は、抵抗値を変えることができる抵抗器。半固定抵抗器は、電圧や電流の微調整のために使用される可変抵抗器です。
可変抵抗器
抵抗の測定方法
回路における抵抗は、デジタルマルチメーターを用いて測定が可能です。デジタルマルチメーターは抵抗だけではなく、電圧や電流なども測定できるので、持っておくとさまざまな場面で役立つでしょう。デジタルマルチメーターの使い方としては、電源を入れて抵抗測定(Ω)にロータリースイッチを切り替えます。
必要に応じて測定対象の抵抗値により、測定レンジを選びましょう。そして、テストリードの赤のプラグを「Ω」の端子、黒のプラグをCOMの端子に差し込んで、抵抗両端にテストリードを当てて測定します。測定すると、液晶画面に測定結果が表示されるので確認しましょう。測定が完了したら、テストリードを外します。
抵抗は温度をはじめとして、さまざまな要因の影響を受けます。デジタルマルチメーターによっては、抵抗計の温度換算機能など外部の影響を考慮して補正をかけてくれる機能もあります。そのため、デジタルマルチメーターを購入する際には、どのような機能を有しているかを確認するようにしましょう。
適切な電流を流すには抵抗器が不可欠
抵抗は、電流の流れにくさを表すための指標で「Ω」の単位で数値化されます。抵抗が小さいほど流れる電流は大きくなり、逆に抵抗が大きいと電流の流れが小さくなることが特徴です。回路に適切な大きさの電流を通すためには、抵抗器が欠かせません。目的に応じてさまざまな種類の抵抗器が使われています。
これらが適切に稼働しているかどうかを測定するためには、デジタルマルチメーターが必要です。抵抗の測定が必要な際には、使い方を参考にして測定してみましょう。