インパルス巻線試験器 ST4030A

応答波形を数値化することでローター組み付け状態の検査が可能

インパルス巻線試験器 ST4030A 紹介動画

インパルス巻線試験器 ST4030Aは応答波形から特徴量LC・RCを同定。回路定数値として定量的に扱うため、判定するしきい値を数値データをもとに明確に決めることができます。さらに、数値で得られた試験結果は統計的品質管理手法を用いた取り組みに活用できます。各ターンショートの蓄積データを前行程へフィードバックして巻線の不良状態を推定・再発防止へと繋ぐことができます。

特長

  • 今まで検出できなかった不良がわかる
  • 高精度に波形を検出 (高速サンプリング 200MHz × 高分解能 12bit)
  • 1ターンショートがわかる(応答波形をLC・RC値に数値化)
  • ノイズに埋もれた「微弱な部分放電」を検出することでモーター巻線間の絶縁不良(疑似ショート)がわかる(オプション)

形名(発注コード)

ST4030A ¥1,694,000(税込 ¥1,863,400)
放電検出機能ST9000は、インパルス巻線試験器 ST4030, ST4030Aの工場出荷オプションです。付加をご希望の場合は、発注時にご指定ください。

高精度な波形検出

良品、不良品の違いがわかりづらかった微妙な応答波形の変化を高精度に検出。200MHzの高速サンプリングで瞬間的な変化を精細に捉え、12bitの高分解能が波形の違いを細かく取得します。

判定が難しかった数ターンショートの検出が可能

今まで判定困難な数ターンショートの違いも、応答波形の数値化により良否判定が可能。LC・RC値なら良品と不良品の分布が異なるため判定基準が明確です。

ローター組み付け状態でインパルス試験が可能

ローターをモーターステーターに組み付けた状態では、ローターの組み付け位置により、ローターとステーターとの間の浮遊容量が変化します。そのためインパルス試験で得られる応答波形が変化し、従来の波形比較方式を用いることができませんでした。応答波形を数値化したLC・RC値も、応答波形の変化により変化しますが、良品、不良品ではその分布が異なります。ST4030Aは、良品、不良品判定エリアを作成することで、ローターを組み付けた状態でインパルス試験ができます。

インパルス巻線試験器の使い方 - ST4030A

インパルス巻線試験器ST4030Aは、モーターのインダクタ(コイル)などで発生する巻線間のレアショートの有無を試験します。良品にインパルス電圧を印加したときのマスター波形を基準として、指定した区間の「マスター波形」と「試験波形」のずれを面積比較して良品判定する方法と、新提案の「応答波形の数値化」による1ターンショート検出を可能にした、良品と不良品の分布のずれから良否判定する方法を用いたインパルス巻線試験器の使い方を紹介します。

基本仕様

確度保証期間 1年
測定項目 ・ インパルス電圧を印加した際に得られる応答波形を数値化 (LC・RC値)し、良否判定
・ AREA値, Flutter, Laplacian等による波形判定
・ 絶縁破壊電圧試験機能を搭載
印加電圧 100 V〜4200 V (設定分解能:10 Vステップ)
最大印加エネルギー: 約88  mJ
試験可能インダクタンス範囲 10 µH〜100 mH
サンプリング 200 M/ 100 M/ 50 M/ 20 M/ 10 MHz, 分解能: 12 bit, データ数: 1001〜8001ポイント (1000ポイントステップ)
電圧検出確度 [DC確度] ±5% of setting, [AC帯域] 100 kHz: ±1 dB
判定方法 LC・RC値判定, 波形判定, 放電判定 (ST9000組み込み時)
試験条件テーブル数 255 (試験条件設定, 判定条件設定, マスター波形)
試験時間 約60 ms (3000 V, 1パルス, 判定OFF時の参考値)
表示 8.4型SVGAカラーTFT液晶 (800 × 600ドット), タッチパネル
インタフェース 標準装備: EXT.I/O, USBホスト (メモリ), USBデバイス (通信用), LAN
オプション: RS-232C (Z3001), GP-IB (Z3000)
電源 AC100 V〜240 V, 50 Hz/60 Hz, 80 VA max.
寸法・質量 215W × 200H × 348D mm, 6.7 kg
付属品 電源コード ×1, 取扱説明書 ×1, アプリケーションディスク ×1, 使用上の注意 ×1

入出力コード (2)

注意: ケーブル寄生成分の影響

ケーブル長により振動波形が変化します。ケーブル容量値を一定範囲内にした特注品対応のご相談は、最寄りの営業所へお問い合わせください。

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