高電圧リレーを使ったモーター・ステーターの自動インパルス試験
課題
三相ステーターの場合、インパルス試験は U-V, V-W, W-U, V-U, W-V, U-W の各相間で行われます。
ゆえにリレーにより試験回路を切り替えることで自動化が図られます。
しかし試験電圧値が1500 V を超えると一般的なリレーは使えません。
よって手測定や手動切替器を使用してステーター各相間のインパルス試験が行われます。
解決策
計測回路切替器として、高圧スキャナ 3930 を使用します。
3930 は DC 5 kV, AC 5 kV まで開閉が可能なリードリレーを内蔵しています。
Sequence Maker( Excel アドイン)で自動検査のシーケンスを組んで実行します。
3930 は PLC などの IO で制御が可能です。
本テストでは PC から接点制御が可能な PHC-D08(パトライト社製)を使用します。
実測の様子
• Sequence Maker が 高圧スキャナ 3930 の出力チャンネルを切り替えます。
• 切り替えの後、Sequence Maker の制御により、ST4030A がインパルス試験を行います。
• 試験は消磁パルスを 3 回印加の後、試験パルスを 10 回印加して合否判定を行います。
• 試験結果およびデータを Sequence Maker が受信します。
実測データ
配線長の影響を Fig. 7 に示します。
上のグラフの STANDARD WAVE は ST4030A 単独で作成しました。
PULSE1 WAVE は本テスト(3930 および配線長が 3.3 m 長くなった構成)の波形です。
下のグラフは本テストで同一ポイントを 10 回試験したデータの重ね合わせグラフです。
配線長が長くなった影響はありますが、同一ポイントの再現性に影響がないことが分かります。
まとめ
・各相間(U-V, V-W, W-U, V-U, W-V, U-W)のインパルス試験が本アプリケーションにより自動検査可能です。
・Sequence Maker の制御機能と IO(接点入出力)機能を PLC に置き換えていただければ、ラインでの自動検査が可能になります。
本アプリケーションのご注意点:
Sequence Maker は無償にて提供しています。
Sequence Maker の取扱説明書もサイトよりダウンロード可能です。
サンプルプログラムが必要な場合は弊社営業員を通じご依頼ください。