製品・技術 2022.10.11

SiCパワーデバイスの普及に対応 高電圧回路のインバーター効率を評価 AC/DC ハイボルテージディバイダを発売

HIOKI(日置電機株式会社:長野県上田市、代表取締役社長:岡澤尊宏)は、AC/DCハイボルテージディバイダVT1005を発売いたします。VT1005は、電圧を分圧する技術により最大5000Vの電圧が測定できます。
VT1005と当社が提供するパワーアナライザPW8001の組み合わせによって、高電圧の大電力を正確に測定し、SiCパワーデバイス※1採用による効率改善効果が把握できます。

AC/DCハイボルテージディバイダ VT1005

開発の背景

鉄道やパワコンといった、「大電力」を扱うインフラを中心に、SiCパワーデバイスを使用したインバーターの採用が進んでいます。インバーターなどの電力制御システムは、使用目的に応じて電気を適切な状態に変換しますが、その過程で電気エネルギーの損失が起こります。
効率の良いインバーターほど損失が少なく、電気エネルギーを有効に活用できます。インバーターにSiCパワーデバイスを使用することで、エネルギー損失を大幅に削減し、効率を改善できます。
インバーターによって変換された電力には、「基本波」「スイッチング周波数」「高調波」といった成分が含まれます。SiCパワーデバイスの採用による効率改善効果を把握する場合、これらの成分の正確な測定が不可欠です。
効率測定における最適なツールとしてパワーアナライザーがあります。しかし、一般的にパワーアナライザーは1000V以上の電圧を直接測定できません。高電圧の大電力を測定する場合、電圧を測定器に対応した仕様まで落とすために高電圧差動プローブや計器用変圧器を使います。しかし、高電圧差動プローブや計器用変圧器では、変換された電力の各成分を正確に測定できません。そのため、効率が100%を超える、測定値が安定しない、再現性が低いといった課題がありました。こうした課題を解決するために、VT1005は開発されました。
VT1005は最大5000Vの電圧を分圧しパワーアナライザーへ出力します。インバーター出力側電力に含まれる各成分を正確に捉え、0.1%の効率改善効果を把握できます。

特長

1. 最大5000 V の高電圧を安全に測定
VT1005は、最大5000Vの電圧を分圧し、パワーアナライザーへ出力します。
2. 優れた周波数平坦性

高効率インバーターの効率を高精度に測定するためには、DCから高周波に渡る電力の正確な測定が必要です。VT1005は、優れた周波数平坦性で基本波だけでなく、スイッチング周波数成分まで正確に測定します。

主な用途

SiCパワーデバイスを用いた鉄道(船舶)用インバーターの効率評価

SiCパワーデバイスを用いた産業機器用インバーターの効率評価

高電圧の入力に対応したパワーコンディショナーの効率評価

高圧回路用トランス・リアクトルの損失評価

ワイヤレス給電システム(WPT)の効率評価

年間販売目標台数(国内外)

VT1005 150台/年

発売予定日

国内、外国 2022年10月28日(金)

価格

VT1005 450,000円(税込み495,000円)

  • ※1SiCパワーデバイスは、低損失、高耐圧で高温動作に適した新しいパワー半導体です。周辺の受動部品や冷却装置を小型化にできるため、高性能電源機器への採用が広がっています。

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