第2章 コマンド

 

2.2 コマンド詳細

 

2.2.1 コマンド詳細の見方

 

・すべてのコマンドについて、書式・機能などを解説します。

・各コマンドの説明は、次のような構成になっています。

 

 

(10) ファンクションの切換えと問合せ

共通

⇒ (1)

 

構 文

 

(コマンド)

 

:FUNCtion?

⇒ (2)

 

(クエリ)

:FUNCtion? A$

 

(応答)

A$

 

解 説

 

A$=MEM:メモリファンクション

   REC:レコーダファンクション

   RMS:実効値レコーダファンクション

   R_M:レコーダ&メモリファンクション

   FFT:FFTファンクション

 

A$で指定されたファンクションに切り換えます。

現在のファンクションを、文字データで返します。

 

⇒ (3)

 

 

 

 

:FUNCtion MEM

ファンクションをメモリファンクションに設定します

 

⇒ (4)

 

使用可能条件

 

 

全ファンクション

 

⇒ (5)

 

(1):コマンドの内容

  ・コマンドの内容と、使用できる機器を示します。

    共通: 8835, 8835-01, 8826, 8841, 8842, 8720で使うことのできる共通コマンド

    8835: 8835で使うことのできるコマンド

    8835-01: 8835-01で使うことのできるコマンド

    8826: 8826で使うことのできるコマンド

    8841: 8841で使うことのできるコマンド

    8842: 8842で使うことのできるコマンド

    8720: 8720で使うことのできるコマンド

 

(2):コマンドの構文

  ・(コマンド):コマンド・プログラムメッセージ

  ・(クエリ) :クエリ・プログラムメッセージ

  ・(応答) :応答メッセージ

  ・各引数

    :A,B,C・・・・数値データ(例:1.5,10E-3)

    :A$,B$・・・・文字データ(例:A,B1,GND,OFF)

    :"A","A$"・・・文字列データ(例:"1.5","mA")

     (ダブルクォーテーション(")の代わりに、シングルクォーテーション(')を用いることもできます。)

    数値データは、<NR1>、<NR2>、<NR3>形式で示します。

     例:A<NR1>:NR1形式の数値データ

       :B<NR2>:NR2形式の数値データ

       :C<NR3>:NR3形式の数値データ

    注記・省略した場合は、<NR1>形式とします。

      NR形式

       NR1形式・・・・・整数

       NR2形式・・・・・固定小数点

       NR3形式・・・・・浮動小数点

       NRf形式・・・・・NR1、NR2、NR3すべてを含む形式

  ・コマンドおよびクエリ・プログラムメッセージは、引数として<NRf>形式を受け付けます。

  ・応答メッセージは、定められた形式<NR1〜NR3>で返します。

  ・応答メッセージは、ヘッダを付けることが可能です。

 

(3):コマンド解説

 

(4):コマンドの使用例

 

(5):コマンドの使用可能条件

  コマンドが使用(実行)できる条件を示します。

  ・MEM     :メモリファンクション

  ・REC      :レコーダファンクション

  ・RMS     :実効値レコーダファンクション

 

■ コマンド実行について

  ・コマンドは入力バッファに入力され、順次実行されます。

  ・ただし、:ABORTコマンドは、入力バッファに実行待ちのコマンドがあっても、

   受信した時点(ターミネータ受信時点)で実行されます。

  ・コマンドが実行できる状態にないときは、実行エラーとなります。

   (レコーダファンクションの設定をメモリファンクションで行おうとした時など)

  ・ほとんどのコマンドは、スタート動作中には実行できません。

    (:STOP,:ABORT,*OPC,*WAI,:HEADerは実行可能)

  ・ただしクエリコマンドは、他の制限(現在のファンクションにはない設定を

    読み取ろうとしたときなど)がなければスタート動作中にも実行できます。

 

■ 8841, 8842について

  ・FFTおよびレコーダ&メモリファンクションに関するコマンドは、

   バージョン2.00以降から対応します。

 

チャネル番号を指定するコマンドについて

  ・特に記述がない場合、チャネルを指定する文字列ch$は、以下のようになります。

   ch$: CH1〜CH4    (8835)

      CH1〜CH8    (8835-01)

      CH1〜CH16   (8841, 8842, 8720)

      CH1〜CH32   (8826)

 

 

 

@ 共通コマンド (IEEE488.2に規定された共通コマンド)

 

(1) 機器のID(識別コード)の問合せ

共通

 

構 文

 

(クエリ)

 

*IDN?

(応答)

HIOKI,8835,0,V1.00

 

(1)  ,(2)  (3), (4)

 

 

解 説

 

 

(1):第1フィールド:メーカー名

(2):第2フィールド:モデル名

(3):第3フィールド:シリアル番号(未使用:0)

(4):第4フィールド:ソフトバージョン

 

 

(2) 機器オプションの問合せ

共通

 

構 文

 

(クエリ)

 

*OPT?

(応答)

ch1,ch2,…ch4<NR1>  (8835)

ch1,ch2,…ch8<NR1>  (8835-01)

ch1,ch2,…ch32<NR1>  (8826)

ch1,ch2,…ch16<NR1>  (8841, 8842, 8720)

 

ch1〜ch16<NR1>:ユニットの種類

0:なし

1:アナログユニット

2:電圧・温度ユニット

3:ストレインユニット

4:FFTユニット

5:F/Vユニット

6:チャージユニット

7:4chユニット

 

 

解 説

 

 

各チャネルの入力ユニットの有無をNR1数値で返します。

 

 

(3) 機器初期化

共通

 

構 文

 

 

(コマンド)

 

 

*RST

 

 

解 説

 

 

本体を初期化します(システムリセットと同じ)。

 

 

注 記

 

 

通信に関するものはクリアしません(イベントレジスタ、入力バッファ、出力キュー)。

 

 

(4) ROM/RAMチェックの結果の問合せ

共通

 

構 文

 

 

(クエリ)

 

*TST?

(応答)

A<NR1>

A = 0, 1

0: 正常

1: 異常

 

 

解 説

 

 

本体のROM/RAMチェックの結果を、NR1数値で返します。

 

 

注 記

 

 

LANで接続している場合は、応答がありません。

 

 

(5) 実行中の全動作終了後、SESRのLSBをセット

共通

 

構 文

 

 

(コマンド)

 

 

*OPC

 

 

解 説

 

 

送信されたコマンドのうち、*OPCコマンドより前のコマンド処理が終了した時点で、SESR(標準イベント・ステータス・レジスタ)のLSB(ビット0)をセットします。

 

 

 

 

A$;B$;*OPC;C$

(A$、B$、のコマンド処理終了後、SESRのLSBをセットします。)

 

 

(6) 実行中の全動作終了後、ASCIIの1を返す

共通

 

構 文

 

 

(クエリ)

 

*OPC?

(応答)

 

1

 

 

解 説

 

 

送信されたコマンドのうち、*OPCコマンドより前のコマンド処理が終了した時点で、ASCIIの(1)を応答します。

 

(7) コマンド処理終了後、後に続くコマンドを実行

共通

 

構 文

 

 

(コマンド)

 

 

*WAI

 

 

解 説

 

 

コマンド処理が終了後、後に続くコマンドを実行します。

 

 

 

 

A$;B$;*WAI;C$

(A$、B$、のコマンド終了後、*WAIに続くコマンドC$を実行します)

 

 

(8) ステータスバイトと関連キュー(出力キューを除く)のクリア

共通

 

構 文

 

 

(コマンド)

 

 

*CLS

 

 

解 説

 

 

ステータスバイトレジスタの各ビットに対応したイベントレジスタをクリアします。

 

注 記

 

 

出力キューはクリアされないので、ステータスバイトのMAV(ビット4)は影響されません。

 

 

(9) SEERの書き込み(GP-IBのみ)

共通

 

構 文

 

 

 

(コマンド)

 

 

 

*ESE A

A = 0〜255

 

 

解 説

 

 

標準イベント・ステータス・イネーブル・レジスタ(SEER)のマスクパターンを、0〜255の数値で設定します。

範囲外はエラーになります。(初期値 [電源投入時] は0)

 

 

 

 

*ESE 36

(SEERのビット5とビット2をセットします)

 

 

(10) SEERの読み出し(GP-IBのみ)

共通

 

構 文

 

 

(クエリ)

 

*ESE?

(応答)

A<NR1>

A = 0〜255

 

解 説

 

 

標準イベント・ステータス・イネーブル・レジスタ(SEER)の読み出しを行います。

*ESEコマンドで設定したSESERの内容を、0〜255の整数で返します。

 

 

(11) SESRの読み出しとクリア

共通

 

構 文

 

 

(クエリ)

 

*ESR?

(応答)

A<NR1>

A = 0〜255

 

 

解 説

 

 

標準イベント・ステータス・レジスタ(SESE)の読み出しとクリアを行います。

SESRの内容をNR1で返します。

 

 

(12) SRERの書き込み(GP-IBのみ)

共通

 

構 文

 

 

(コマンド)

 

 

*SRE A

A = 0〜255

 

 

解 説

 

 

サービス・リクエスト・イネーブル・レジスタ(SRER)の書き込みを行います。

SRERのマスクパターンを、0〜255の数値で設定します。

範囲外はエラーとなります。

ビット6の値は無視されます。

 

 

 

 

*SRE 33

(SRDRのビット5とビット0をセットします)

 

 

(13) SRERの読み出し(GP-IBのみ)

共通

 

構 文

 

 

(クエリ)

 

*SRE?

(応答)

A<NR1>

A = 0〜63, 128〜191

 

 

解 説

 

 

サービス・リクエスト・イネーブル・レジスタ(SRER)の読み出しを行います。

*SREコマンドで設定したSRERの内容を、NR1数値の0〜63、128〜191の値で返します。

ビット6の値は常に0です。

 

 

(14) ステータス・バイトとMSSビットの読み出し

共通

 

構 文

 

 

(クエリ)

 

*STB?

(応答)

A<NR1>

A = 0〜255

 

 

解 説

 

 

シリアルポールを実行せずに、ステータス・バイトとMSSビットを読み出します。

シリアルポールでステータス・バイトを読み出すのと同様です。

 

 

注 記

 

 

ビット6はRQSでなく、MSSです。

 

 

(15) ESER0の書き込み(GP-IBのみ)

共通

 

構 文

 

 

(コマンド)

 

:ESE0 A

A = 0〜255

 

 

解 説

 

 

イベント・ステータス・イネーブル・レジスタ0(ESER0)の書き込みを行います。

ESER0のマスクパターンを0〜255の数値で設定します。

範囲外は実行エラーとなります。

初期値(電源投入時)は0です。

 

 

 

 

:ESE0 36

(ESER0のビット5と2をセットします。)

 

 

(16) ESER0の読み出し

共通

 

構 文

 

 

(クエリ)

 

:ESE0?

(応答)

A<NR1>

A = 0〜255

 

 

解 説

 

 

イベント・ステータス・イネーブル・レジスタ0(ESER0)の読み出しを行います。

ESER0の内容を、NR1で返します。

 

 

(17) ESR0の読み出し

共通

 

構 文

 

 

(クエリ)

 

:ESR0?

(応答)

A<NR1>

A = 0〜255

 

 

解 説

 

 

イベント・ステータス・レジスタ0(ESR0)の読み出しを行います。

ESR0の内容を、NR1で返し、ESR0をクリアします。